虫歯が痛くて治療してもらったのに、治療後も傷みが治まらない場合、治療が失敗したのか、何か問題が起こったのかなど、心配になってしまいますよね。
虫歯を治療した後でも、さまざまな原因によって痛みが起こることがあります。
この記事では、治療後も虫歯が痛む原因や、痛みが治まらない虫歯の特徴、いつまでその痛みが続くのか、痛みが続く場合の対処法などを紹介します。
虫歯を治療しても痛みが治まらずに不安なときの参考にしてください。
虫歯を治療した後は当然痛みが治まるものだと思うのが一般的ですが、実際はさまざまな理由で痛みが継続したり、治療後に新たな痛みが生じたりします。
初めに、虫歯治療後でも歯が痛むときの原因について紹介します。
進行した虫歯をドリルで削った場合、振動や衝撃、摩擦熱が発生するため、神経が刺激されて過敏になっている場合があります。
治療中は麻酔によって痛みを感じることはありませんが、虫歯が神経に近い場合は特に、刺激によって受けたダメージから回復するのには少し時間がかかります。
大体は2~3日で治まり、根管治療(歯の神経を抜く治療)の場合でも数週間で落ち着くのが一般的です。
しかし進行度合いや治療後の経過によっては数ヶ月かかることもあるため、注意が必要です。
虫歯が深く神経の近くまで達している場合、神経がダメージを受け衰弱していたり炎症を起こしていたりして、治療後でも痛みが持続することがあります。
治療直後は神経の回復が追いつかずに痛みが続くことがありますが、2~3日様子を見ることで徐々に痛みが薄れていきます。
虫歯治療では、歯質が弱くならないようにできるだけ神経を温存しますが、2~3日を過ぎても痛みが続いて収まらない場合、根管治療が必要な場合があるため受診が必要です。
治療で詰め物をした際、高さなど噛み合わせが合っていないために神経を圧迫し痛みを生じることがあります。
この場合は詰めたところが少し高い場合が多く、調整が必要になります。
他にも噛んだ時に違和感がある場合も、大抵は1ヶ月程で馴染みますが、数ヶ月経っても症状が収まらなければ高さ調整が必要です。
噛み合わせがうまくできていないと、歯の痛みの他に頭痛や首の痛み・イライラなどの他の症状が出てくる場合があるため、治療した歯科医院で調整してもらいましょう。
詰め物の一種である銀歯は熱を伝えやすく、治療直後は食べ物や飲み物の熱さや冷たさが痛みとして感じられる場合があります。
歯は象牙質を削ると自身を守ろうとして、1~2週間で新しい象牙質(二次象牙質)を作ります。
二次象牙質が作られれば温度で痛みを感じることもなくなるため、様子を見ても大丈夫です。
しかし二次象牙質ができるまでの時間には個人差があり、程度によってはもっと時間がかかる人もいるため、歯のしみるような痛みに耐えかねる人は治療した歯科医院に相談しましょう。
神経まで達した虫歯の根管治療で神経を取り残したり細菌が残っていたりする場合、治療後に痛みが続くことがあります。
歯の根は複雑な形状をしているため、痛みの原因の全てをきれいに取り除けないことがあります。
また、できるだけ神経を削らないように気をつけて削った結果、虫歯を削り足りずに菌を残してしまうことも、治療後に痛みが続く原因です。
こういった場合は、治療が終わっていない状態といえるため、放置すると虫歯が進行します。
治療後1週間ほど経過しても痛みが続く、または治療後しばらく経ってから再び痛み出した場合は再治療の必要があるため、歯科医院に連絡して早めに受診しましょう。
虫歯治療後にも痛む虫歯には、その進行段階に特徴があります。
ここでは、進行段階による治療方法の違いと、治療後に痛みやすい進行段階について紹介します。
虫歯は以下のような進行段階によって悪化していきます。
ここでは、虫歯治療の方法を進行段階によって紹介します。
初期虫歯であるCOは痛みなどの自覚症状がない「虫歯になりかけ」の状態です。
歯に穴は開いていませんが、ツヤがなくなって白く濁ったり変色して見えたりしてきます。
歯が元々持つ修復作用である再石灰化によって、虫歯が自然に治る可能性がある段階なので、削るような治療はせず、適切なブラッシングやフッ素塗布によって様子を見ます。
乳歯や生えたばかりの永久歯の場合はC1への進行が早いため注意が必要です。
C1はエナメル質が溶けて穴が開き黒ずんできます。冷たいものがしみるようになりますが痛みはまだありません。
治療日数は1日です。歯を削ってコンポジットレジンと呼ばれるプラスチックを詰める治療が必要ですが、治療の際に麻酔はまだ必要ありません。
また、状態によってはCO同様、削らずに経過を観察する場合もあります。
エナメル質からさらに進行すると、C2という象牙質の虫歯になって穴が開き、甘いものや冷たいもの・熱いものがしみる、ときどき痛む、空いた穴に物がつまるなどの症状が現れます。
象牙質の虫歯部分を削る際には局所麻酔が必要です。
象牙質を削る治療では、直接詰め物をして1回で済ませられる場合と、型取りをして仮詰めをし、後日作成したものを詰めるという2回の治療が必要な場合があります。
2回の治療になると、1週間程度の期間での通院が必要です。
象牙質は柔らかいため、この先へはこれまでよりも早く進行します。
C3は神経や血管まで達してしまった虫歯で、何もしなくても常にズキズキと激しく痛むようになります。見た目にも大きな穴が開き、口臭が強くなることもあります。
この段階まで進行すると虫歯部分の歯や神経の除去、侵された神経が入っていた根管の中の掃除と消毒、型取りと被せ物の製作、噛み合わせの調整など、多くの工程が必要です。
治療に3~5回、被せ物の製作や調整に2~3回と、通院の回数も多くなるため通常約1ヶ月は治療に必要ですが、状況によっては数ヶ月かかることもあります。
C4は虫歯の最終段階で、根管まで虫歯が達しているため、その時点で我慢や放置をすると神経が死んでしまい、一旦痛みがなくなります。
放置すると膿などが溜まり再度激しく痛み、歯茎が化膿したり顎の骨が溶けたりなど、根管の周辺にも感染が広がってしまうこともあるため、早めの治療が必要です。
歯を残せるようであれば根管治療を行いますが、多くの場合は抜歯となるため、その後にブリッジや入れ歯、インプラントなどでの歯の機能回復を図るまでが治療です。
根管治療、入れ歯、ブリッジなどを行う場合は1ヶ月ほどの治療期間になりますが、インプラントをする場合は半年以上かかります。
治療をした後も歯が痛む虫歯には、虫歯が象牙質や神経まで進行していたという特徴があります。
象牙質は細いチューブを寄せ集めたような構造で、そのチューブの中を細い神経組織が通っているため、象牙質が露わになることは、神経がむき出しになるようなものです。
そして象牙質まで虫歯が進行すると、神経のそばまで歯を削る必要があり、その下の根管まで虫歯が進行し神経が侵されると、神経を抜く処置が必要です。
虫歯を早い段階で発見できず象牙質まで進行してしまい神経に影響が出る治療となることが、治療後まで痛む虫歯になってしまうといえるでしょう。
虫歯治療後に歯が痛む場合はまず鎮痛剤を飲んで様子を見ます。問題がなければ長くても1週間ほどで痛みは治まってきます。
ただし、以下のような場合は治療を受けた歯科医院を早めに受診しましょう。
治療後の歯に詰めたり被せたりすることの違和感を痛みとして身体が捉えることがあり、慣れてくることで解消される場合があります。
しかしそれ以外の、1ヶ月以上長引く痛みや強くなっていく痛み、再度起こる痛みなどについては再治療や対処が必要な場合があるため、治療を受けた歯科医院に受診が必要です。
虫歯治療後は、痛みがない場合でもしない方がいいことがあり、それを避けるだけでも痛みの対処につながります。 最後に虫歯治療後に痛みがある場合の対処法を紹介します。 歯が痛い時は痛み止めを服用するのが効果的な対処法です。 虫歯治療後なら歯科医院が鎮痛剤を処方してくれるケースが多いですが、市販の痛み止めでも十分効果はあります。 虫歯治療後の痛みによく効くとされる痛み止めの該当成分と効くまでの時間(個人差があります)は以下の通りです。 市販品を買いに行く余裕がある場合は、薬局の人に相談してみましょう。 飲んでから効き目が出るまで時間がかかる人もいるため、前触れを感じたら早めに飲むことをおすすめします。 治療後の歯が痛む場合は患部を冷やすことも効果があります。 痛いところを冷やすと血管が収縮し炎症部への血流が抑えられ、また、神経の活動が低下するため痛みの信号が脳に届きにくくなります。 保冷剤や濡らしたタオルで冷やしますが、直接冷やすのは刺激が強く、氷をあてる・口に含むなどは逆効果の恐れがあるため注意しましょう。 治療した歯が気になって舌や指で触ると、刺激になるだけでなく、感染や傷の原因になります。 また、硬いものを噛むと詰め物が外れたり割れたりする可能性があるため、強く噛まなくても飲み込めるような食べ物を選ぶことも大切です。 どのようなきっかけが治療後の痛みを引き起こすか分からないため、刺激を与えないことが一番でしょう。 触ったり硬いものを噛んだりする以外にも、味や熱も刺激になるため、痛い間や治療後は食べるものをしっかり選びましょう。 熱いものや冷たいもの、辛いものだけでなく、甘いものや炭酸飲料なども刺激となります。 また、ガムや飴、キャラメルなど歯につくものは柔らかいものでも詰め物が外れる原因となることがあるため注意が必要です。 虫歯治療後は血行がよくなると血圧が上昇して神経が圧迫されるため、痛みが増す可能性があります。 激しい運動や長時間の入浴、サウナなどは歯の神経が落ち着く1週間程度まで我慢しましょう。 お酒とたばこは歯を刺激する成分が入っているため、虫歯治療後は我慢しましょう。 飲酒は血流がよくなる他に、糖質が虫歯菌のエサになる、脱水症状になると口が乾き殺菌作用が落ちる、睡眠の質が低下するなど治療後のデメリットがいくつもあります。 喫煙は毛細血管が収縮するため、傷を治すために必要な血流が悪化し治りが遅くなり、細菌感染のリスクも高まります。 せめて治療後3日間程度は、禁酒、禁煙をおすすめします。 虫歯治療後に痛むようなことがあると、うまくいかなかったのでは?と心配になってしまいますよね。 しかし、歯は治療したからといってすぐにダメージから回復するわけではなく、治療自体も歯にとっては負担になるため、しばらく痛みが続くことがあります。 問題がなければ長くても1週間ほどで痛みは治まりますが、痛みが続く場合や気になる症状がある場合は早めに歯科医院で相談してみましょう。 名古屋市緑区のこじまデンタルクリニックでは、持病がある方、高齢の方など、どのような方でも安心して受診できる、幅広い歯科治療を提供し、サポートしています。 治療後の痛みも相談しやすいよう配慮し、また、虫歯の治療だけでなく、早期発見のための歯科検診などについて、お電話や24時間web予約も受け付けております。 どうぞお気軽にこじまデンタルクリニックにご相談ください。虫歯治療後に痛む場合の対処法
痛み止めを利用する
成分
効くまでの時間
市販薬
イブプロフェン
1〜2時間以内
・イブA錠
・バファリンプレミアムDX
・ノーシン
ロキソプロフェン
15~30分
・ロキソニンSプレミアム
アセトアミノフェン
30分~1時間程度
・バファリンプレミアムDX
・タイレノールA患部あたりを冷やす
治療部位をいじらない
刺激の強いものを食べない
血行がよくなることはしない
飲酒・喫煙は控える
まとめ
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